長い年月をかけ、氷河と雪解け水によって形成されたこの土地自体が彫刻であり、作品である。その雪解け水を使ったインスタレーションをおこなった。この滝の中に入れた石は現地の川から採取した玉石(ディアバス)で、土地を形成する岩石であると同時に場所の記憶物である。この玉石の上面を平らにカットし水に濡らすことできれいに見える石の結晶を「場所の記憶」として提示した。
一方で平らな面はこの先数十年数百年という時間の中でこの雪解け水に削られてくることを、見ずとも感じさしてくれる。過去と未来の狭間でこの「場」と「今」を象徴する作品となった。
Dem Hier
Stone
2008
Pitztal/Tirol(Austrian)