破壊の記憶から創造へ
コブレンツの市街のライン川を挟んだ東にある丘の中腹に位置する旧ドイツ軍射撃場跡の一角を使っておこなったインスタレーションここには射撃による弾痕が多く残っており未だ壁からはたくさんの玉を採集する事が出来る。銃器による射撃は「破壊」の象徴であり、この傷跡は大人の政治的な武力支配の記憶である。
このインスタレーションで私はその記憶と対比的な子供の色粘土でこの傷跡を色粘土で修理した。色粘土は子供が自由に創造力を働かせ世界をつくる事が出来る。破壊と創造は対照的であり、そして常に隣り合わせである。この傷跡を色粘土で修理することで二次的にうまれたキッチュでカラフルな模様を「戦争」と対比させた。「平和のための戦争」がまかり通る現代に「本当の平和とはなにか」というメッセージを込め子供の無邪気な遊びで社会の歪みを嘲笑った。
Happy Song
color clay
2010
Koblenz / Germany