古来より日本の文化の中にある「うつろい」の美意識とは常に何らかの媒体を介することでより増感してかんじせられる。現代社会では目を向けづらくなってしまった日常の中の悠々として繊細な自然の変化と、それへの畏敬の念を感じるきっかけとして、人と環境との対話の為の拡声機(増感モバイル)としての造形し、そこを取りまく環境(空間、自然、人など)を作品として受け入れ、反射して映し出すことを意図した。そのために形体は空間を作品化する為にあえて構造体をもたせず、地面に直接金箔を施し、周りの環境を作品とする為の受け皿、美術的には作品台としての効果を意図した。そして金箔が時間と共に劣化し剥がれていく事で儚さと共に、よりこの瞬間の輝きをより意識出来る。 満月を写し、夕日に輝き、夜景に映えるその情景をいま想像していただきたい。
GOLDEN ZERO
金箔
2011
ポートアイランド しおさい公園/神戸